今日は、黒を着る。

そう決めてた。

何日か前から。


七回忌。


いつの間にそんな歳月が流れたのか。

１９歳で亡くなった彼はそのままに。

あたしだけが歳を重ね。

いつしか１歳年下だった自分が、４歳年上になっていた。

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人は悲しみを忘れる生き物。なんだそうだ。

現実、あたしは前より彼の事で泣かなくなった。

亡くなった当時、半月は毎日泣いて過ごした。

毎晩、家族が寝静まってから吐くほど泣いた。

泣いて泣いて。

泣きながら腕を切り続けてた。

「もうこれ以上やったら絶対肉おかしくなるって！」

そう、友達に言われるくらいに。

なのに、今年は泣かなかった。

強くなったのではなく、忘れたのだと思う。

悲しみを。

清々しくもあり、寂しくもある。

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今日も、空は晴れていた。

快晴と言うにふさわしく、晴れていた。

毎年、この日は晴れている気がする。

あたしはいつも言う。

憎々しいくらいに晴れた空。だと。

きっと、来年も言うだろう。

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